親知らずが痛えんだばかやろう、という前回までの記事はこちらとこちら。
前回までのおさらいです。
わたしの右奥下の親知らずは、
親知らずの下に袋状の病巣があり、
その病巣に神経が貫通しているため、
町の歯医者では抜歯も、袋状の何かの摘出も不可能と判断され、
大学病院へ行く事になったのでした。
こちらレントゲン。
ただし、レントゲンは二次元の世界なのです。
本当に貫通しているのかは、輪切りにしないと分からないので、
CTも撮りました。
ーーー前回までのおさらいここまでーーー
CTは、上の図の、縦の輪切り画像です。
残念ながら、貫通しておりました。
オイカワ(担当医)から、病巣についてのいくつかの見解と(病理検査をしないと判明しないと言われました)、親知らず抜歯後の病巣内容別の摘出法と、術後のリスクの説明を受けました。
「神経を傷つけずに病巣を除去出来たとしても、
神経に触れないまま摘出する事は難しいと思います。
術後は、口元、下唇か顎か下の歯茎の一部に、感覚麻痺が出ます。
その麻痺は、通常回復とともに2週間ぐらいでなくなるものなのですが、
場合によっては2年ぐらい残るかもしれないし、一生残るかもしれない。
人によって後遺症の重さは違うので、はっきりと”そのうち治る”とは言えません」
運動麻痺ではない。
舌の動きや唇の動きは違う神経が司っているので問題ない。
残っても、小指の第一関節分ぐらいのエリアの麻痺だとは思う。
日常生活に影響はない。
オイカワはそう言いました。
それでも、肥大する可能性があるものだから、病巣を摘出しなければならない、と。
それでも、わたしはシンガーです。
その説明を受け、今から最短で出来るオペ日を決めた帰り道、
病院で言われた事が整頓出来たのか、実感が湧いてきたのか、
なんとも言えない不安が襲ってきました。
病巣が何なのかよりも、
後遺症が怖かった。
だって、貫通してるんです。
オペは病理検査を先に済ませてから行うか、
まず開いて摘出してから検査に回すかの選択肢があると言われました。
オイカワもわたしも、後者を選びました。
どっちみち、摘出するからです。
今の今まで病院に行かなかったのはわたしです。覚悟するしかありません。
本日はオペでした。
ゆったりと楽な格好でお越し下さいと言われていたので、
天野はオペ用の服を新調しました。
きっと術後はしばらくまともに食べられないので、
オペ1週間ほど前から、好きな物を好きなだけ食べました。
術後は2〜3日そうとう痛いし、顔も腫れて、頬が内出血すると言われていたので、
しばらく家から出なくてもいいように、食料品も買い揃えました。
歯茎はコラーゲンとタンパク質だと言われたので、
術後の回復を考え、コラーゲンドリンクと豆乳も買いました。
気を紛らわすためにゲームも買いました。
天野、大変バーストしておりますが何か。
イソジンで口内を消毒した後、目にガーゼを当てられました。
続いて、ブルーシートをかけられました。
前回取り付けられた例のアレで口を開かれるかと思いきや、
自力で開け続けなければなりませんでした。
頬に近い位置にあるので、時折指で右口角をつかまれ、ぐいっと開けられました。
口が歪むかと思いました。
目を塞がれ、見えなくても、会話は聞こえます。
右側にオイカワ、
左側にオイカワの師匠みたいなダンディーがいて、事細かく指示しておりました。
師匠「あー、これは難しいねー。とりあえずここ縦に切ろうか」
オイカワ「はい」
師匠「ここぐらついてるの分かる?ここを揺らして」
オイカワ「はい」
師匠「もっと優しく剥離して」
オイカワ「……」
天野(オイカワ名医じゃないのかよ!!??涙)
約1時間半後、オペは完了しました。
抜糸の日取りなどを取りつつ、オイカワは言いました。
「神経、無事です。(オペ中に)神経管は見えませんでした。麻痺は出ないと思います」
この3ヶ月間、二度もCTを取り、病巣に神経が貫通していると診断されたのに、
その貫通画像もこの目で確認したのに、
覚悟を決めてたのに、
接触すらしてなかっただと?
と思いました。
奇跡だと思いました。
これは、奇跡です。
誰だこんな奇跡を起こしてくれたのは!!(涙)
なんだか、ありがとうが言いたい気分です。
あーーー怖かった(笑)
抜糸やらなんやらでしばらく大学病院通いですが、
これで心おきなく制作作業に戻れます。
オイカワ、師匠、ありがとうございました。
そして、わたしを励ましてくれた事務所のみなさん、
頑張ってーと声をかけてくださったみなさん、ありがとうございました。
追伸:常温の水が沁みます。うまく飲むこつを教えてください。