アルバム「Daisy」ライナーノーツ、そのよん。

雑音生活 ライナーノーツ

アルバム「Daisy」ライナーノーツ、そのよん。

ライナーノーツラストでございます。

でいじーフル画

 

「JACK AND JILL」

アルバムの方向性を決めた時に、
Aメロしかないような、
1番が非常に短くて3番か4番まである曲を書こうと思っておりました。

泥臭いフォークソングには、こういうパターン多いんじゃないかと思います。

アマチュア時代はフォーク系をかじってたので、
こういう曲をわりと作っておりました。

 

しかしいざ作ろうと思うと意外と難しくてですね、
メロディーを自然と歌い出すまでしばらく待ったです。

歩きながら作ったんじゃないかなこれ。

 

レコーディングの時は、
英詩な事もあって、
少しニュアンスを伝えた方がいいかなと、
「わたしたちは別れて正解だったという曲です」とこれまた口頭で説明しました。

 

元気でいますか。
どこかの空の下で。
あなたの事だからうまくいくばかりじゃないだろうけれど、
こちらも相変わらずです。

という曲かなと思います。

Every Jack has his Jill
というのは意訳にある通りの意味のことわざで、
そこからタイトルにしました。
男子代表としてJack、女子代表としてのJillなのだそうです。

太郎と花子みたいな感じかもね。

ある男とある女、という風にとって頂ければと思うです。

 

「サボテン」

乾いたところで生きている植物の歌を書こうと思ったのです。
乾いたサウンドのアルバムだけに。

 

サボテンの棘は、
ほんの少ししか手に出来ない水を逃さず捉える為にあるのだそうです。

乾いた土地に根付いているので、
ほんの少しの、
しずくみたいな量の水で生きられる身体に変化したわけですが、
そのせいでサボテンは、
水をたくさん与えられると根腐れを起こして枯れる身体にもなりました。

物を作る人間は、そういうタイプが多いと感じています。
目の前にたくさんのしあわせがあると、自分が腐ってしまう人。

特に、わたしのようなタイプの作り手はそうかもしれません。

 

わたしの愛すべき同志、
プライベートを含めての同志は、
口を揃えて同じ事を言います。

「折れそうな事があると、辛いんだけど、ちょっと嬉しい」

なぜなら、そこから作品が生まれるからです。

 

だから自分も含めて、
一般的な"しあわせ"とは遠いところにいるかもしれないとは思います。

しあわせを掴んでみたけど、
手放した時の悲しみの濃厚さに惹かれて、
掴んだしあわせを自分でぶち壊す衝動を止められない人もいます(笑)

現在心が穏やかで、物作り熱がいまいち沸き上がって来ない状態にあり、
このまま自分が終わっていくようで、自らのしあわせに悩んでいる人。

しあわせがこっちに来ないように自らの意志で遠ざける人も。

そんなわたしたちはみんな、
サボテンなのかもしれません。

 

以上、アルバム「Daisy」のセルフライナーノーツでした。
今のわたしだから作れるものを作ろう、
今のわたしを切り取ろうと思ったので、
少し大人なアルバムかもしれないですね。

あー、なんだかめっちゃ自分だなー(笑)と思ったので、
自分の似顔絵なんかも封入してみた感じですが、

どこかで、
頑張っている人の背中をちょこっと押せたり出来るアルバムだったらいいな、
と思う天野なのでした。

 

ライナーノーツ全4話、
長々と読んで下さったみなさま、ありがとう(ぺこり)

Back To Top
error: