昔、写真をやってた友人が
「1からものを作る人って、ジャンル関係なくそれだけで尊敬する。絵とか音楽とかは何にもないところから作ってるじゃん」
と言っていた事があった。
写真の場合、確かに被写体がいて、機材がないと成り立たないかもねと思いつつ、
絵は画材があって、音楽は楽器や音がある、
何にもないところからは作ってないよ、と思った。
むしろ、自分でプランニングする事が出来ない空間を切り取る写真の方が、表現としては難しいのではないかと。
でも、その絵も歌もやる自分の経験で言うと、
音楽は、目には見えないものを作るっていう感覚はある。
実質的な事を言うと、
楽曲は譜面に書き起こせるし、歌詞も目で確認できる。
楽器のどこを弾けばこの音だって認識だって、目で確認できる。
視覚情報はゼロじゃない。
目より耳の方が使うことは確かだけど、
鼓膜に届かせたいと思って音楽作ってる人はいまい。
響きや音符や歌詞という、音楽の表層にあるものを超えた何かを作りたいってのが、わたしはある。
それは、決して目には見えない。
昔から言ってるけど、
わたしは曲の主人公の真ん中にある気持ちをあえて歌詞に書かずに、曲全体で表現したいタイプ。
だから難解だと言われがちだし、
受け取ってくれた人がどう感じるかで、曲の解釈が全然違ったりするかもなぁとも思うんだけど、
そこをね、変えたくない。
だって、自分が気持ちのままには話さない人だから。
だから、言葉にすると嘘くさく感じるわけだ。
この曲歌うの誰やねん、自分こんな事言わんやんかってね。
音楽は、どうもうまく話せない人たちの吹き溜まりみたいな場所だと思う。
特に歌を歌う人はそんな感じだ。
話術が巧みなミュージシャンやスタッフに救われます。
エンジニアさんのニューマイク。
このマイクのスペックを全然使いこなせそうもないのに、そんなわたしも欲しくなる1本。
このマイクで録ってもらえた事に感謝。
ニューアルバムは、聞いてくれる人にどう届くだろう。
見えない何か、感じてもらえるといいな。
歌入れと一緒にいてくれたベンティサイズのカプチーノ。