Kaya「ROSE」と「Pray」のライナーノーツ。

雑音生活 ライナーノーツ

Kaya「ROSE」と「Pray」のライナーノーツ。

Kayaさんアルバム発売おめでとうございます。

先日トークさせて頂きましたが、
それを踏まえた上でのわたしサイドのライナーノーツをちょっとだけ書かせて頂きます。

「Pray」

この曲は『A MOON CHILD IN THE SKY』の制作時に、
提供曲を目的として書きレコーディングスタジオで簡易のデモ制作をしていた曲で(どのスタジオで録音したのか覚えているので、確実にムンチャイの時なのです)
そのままわたしが歌詞を書く事もなく、
わたしの元に出戻ってくる事もなく、
声が合う人がいなくて歌う人もいないまま、
どこにも嫁がずに17年の月日が経過しておりました。

でも、サビのメロディーがけっこうインパクトがあって好きだったので、
いつか嫁ぎ先があるかもしれないと、
MDに落としたデモ音源を、ずっと持っていました。

で、トークイベントで話した通り、
Kayaさんの声に合うのではないかと思い、
「あの曲覚えてますか?あの曲Kayaさんの声に合わないですかね?」
とみかさんにも確認を取り、
「覚えてますよ〜、Kayaさんめっちゃ合いそう!」と言われ、
背中を押されて、

MD聴きながらもう一度、手直しをちょこっとしながらデモ音源を制作し、

Kayaさんに直接、
もう1曲は書き下ろすのですが、この曲はわたしからKayaさんにプレゼンしたいですと、お渡しさせて頂きました。

この曲の、イントロのピアノの和音も、デモに近いです。
サビからAメロの間で転調するので、この和音展開がないと繋がらないんだけど、
元のデモの音源を仮アレンジしたのは戸倉氏でね、
彼が弾いたものをなるべく再現したわたしのデモテープだったりしました。
その状態に、アレンジャーの横山さんがアレンジしてくださったのですが、
遠くに戸倉氏がうっすらいるので、フフフって気持ちになります。

だんだん明るくなる6/8のロックバラード。
Kayaさんの優しい歌詞に、わたしの方で強さを少しブレンドさせて頂いた感じです。

「ROSE」

提供先から注文されるのは「天野さんらしい曲」ってのが一番多いんですが(だろうよね)
そう言われるの、わたし、最も苦手です(笑)

自由がなく、窮屈に感じる。
わたしは、歌う人に合う曲が書きたいので。

Kayaさんからオーダーがあったのも、「天野さんらしい曲」でした。

わたしの声とKayaさんの声は、正反対のようなところにいるんだけど、
ありがたい事に、Kayaさんが出された女性シンガーカバーアルバムの「DRESS」があったおかげで、
Kayaさんの声にはこんな曲が合いそうだなってのはなんとなく把握できていました。
Kayaさんは声の切り方がふわっとしてらっしゃるので、メロディーがそこまで細かく動かない方がいいなとかは思っていました(これまでのKayaさんの曲は、ビートが早くてもメロディーが大きく動くものが多い印象がありました)

後にKayaさんの方から「あたたかい闇」というテーマを提示していただきました。
その後で面と向かって打ち合わせさせて頂いて、
なるほど、音的な方向性はツンとしてて冷たいけどサビで炸裂する感じかなと思っていた所、

少しアップテンポで

という追加オーダーが来て、

ツンとしてて冷たいのを作ろうとしていた頭だったのでプチ混乱しましたが(笑)

あ、じゃあちょっと跳ねようと思い直し、このテイストになりました。(シェイカー鳴ってる感じというと分かるかな)

「ROSE」に関しては、
75%ぐらいはわたしが歌詞を書かせて頂いたのもあって、
Kayaさんに歌って欲しい事を念頭に作れた気がします。

わたしの曲は、どの方向にも行けるところがあると思うので、
アレンジに携わってくださった演奏陣のみなさん、
方向を定めるのが大変だったと思います。ありがとうございました。

さいごに。

わたしの曲は、メロディーをどこで区切っていいのかで迷う人が多いようで、
でも自分が歌詞に関して口出しできる現場はこれまでひとつもなかったため、
曲のみの提供になると、
結果としてメロディーと歌詞がちぐはぐしてしまう事が多かった、
というのを踏まえて、

ここはこう言葉をはめた方がすっと耳に入るかなって事とか、
Kayaさんの歌詞に口出しする事もあるかもしれないけれど、
絶対いい曲にしたいので、そこを許して欲しいと最初にお伝えさせて頂いていました。
せっかく一生懸命書いた歌詞を訂正されるのは、
なかなかに傷つく(というかムカつく)事でね、
共作すると不穏になる事もあり得るんです。
台所を牛耳るのが、ふたりになると喧嘩になるって聞いた事ないですか?(嫁姑問題のひとつとも言われる)
あれと同じなんだ。

わたしはガチでいくので、Kayaさんもガチで来て欲しい、
ここはこうじゃないと嫌だって事があったら、遠慮なくじゃんじゃん言ってくださいとも伝えてましたが、

Kayaさん、わたしの傍若無人さを許してくださって、本当に本当にありがとうございました。

懲りずにいてくださると嬉しいです(笑)

アルバム『ROSE』色とりどりで、本当に素敵なアルバムでした。
携われた事に感謝いたします。




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