この曲のきちんとしたレビューを書いた事がないように思います。
デビューする前、アマチュア時代に書いた曲なので。
「サカナ」は、プロデューサー戸倉氏の元へ届いたデモテープの中に入っていた1曲です。
月子名義のラストアルバム「NOISE」(※現在廃盤商品です)の最後の曲として収録してもらいました。
元々ピアノ演奏の曲。
当時、鍵盤を持っていなかったので、
ピアノの打ち込みが出来る友人の家に通いつめ、
デモを完成させた思い出があります。
戸倉氏と会う1年ほど前、わたしは扁桃炎をこじらせて入院しておりました。
特にオペをしたわけでもなかったのに、
退院後歌うと喉に激痛が走るようになり、
医師にその旨を伝えると、
半年ぐらいは歌わない方がいい、
さらっとそう言われ、歌を一時期停止しました。
そろそろ全力で歌えそうだなと思った頃に、
「サカナ」を作るきっかけは訪れました。
友人3人(そのうち一人は、この曲のために機材と家を貸してくれた人)と深夜のファミレスでたむろっていた時、
正確に言えば、デザートを食べはじめた時、
突然友人が言い出しました。
数ヶ月前、婚約者が病気で死んだ事を。
わたしはその亡くなったお相手を、ふたりのなれそめの頃から知っていました。
話をしてくれた彼女は終始気丈でした。
彼が病気をして海外から強制送還された事、もう治すすべがなかった事、全部わたしには初耳です。
もう一人同席していた友人も、初耳の話。
デザート頬張りながら(チョコバナナクレープです、そういうとこまでよく覚えています)ぼろぼろ泣き出すわたしとは対照的なほど、
時折微笑む気丈さで、彼女は静かに順序立てて事のすべてを話してくれました。
話し終えて、彼女が言ったのです。
「涙がね、出ないんだよ。突然すぎて、全部嘘みたいで」
わたしは思ったのです。
友人の心は、今完全に蓋をした状態なんだと。
固く蓋をしすぎて、自分でも取れなくなっているんだ。
そうだ、この子がひとりで泣くための曲を書こう。
そうして書いたのが「サカナ」です。
温かさと、冷たさが混在する曲かなと思っています。
たったひとりの心に届く事だけを考えて作った曲なので、
意味不明な部分、ふんだんにあるかと思います。
聞いた事のない方、それでもよろしければどうぞ、です。
この曲は、わたしの原石のひとつです。
【配信先一覧】
・iTunes
https://itunes.apple.com/jp/album/sakana-single/id955069151
・レコチョク
http://recochoku.jp/song/S1001166795/
・Amazon
http://www.amazon.co.jp/サカナ-天野月子/dp/B00RO5R72I/
・music.jp
http://music-book.jp/music/Artist/472840/Music/aaa35kbo
・MORA
http://mora.jp/package/43000074/TCJPR0000166286/
・オリコンミュージックストア
http://music.oricon.co.jp/php/music/MusicTop.php?music=3778359
配信元レーベルコクーンはここ。