(続)「元服」発売まであとわずか。

雑音生活 ライナーノーツ

(続)「元服」発売まであとわずか。

前回の記事の続きです。

「イデア」は、
金色のガッシュベルのエンディングテーマソングとして書き下ろしました。
スタッフから放送終了している部分までのDVDを借り、
その続きのコミックも読み、
やさしい王様になりたいガッシュの純粋さに涙したりもした制作準備期間でした。

子供向けアニメに曲を書くのははじめて、というか後にも先にもこの曲だけ。

ガッシュベルは、電撃を放つのが特技でした。
ので、稲妻をイメージして曲を書いていったのですが、

「子供も聞くのでこんな言葉は使っちゃダメ」という暗黙のルールがあって、
わりと元気めのストレートな曲を作ったので、 
なんか、天野にしてはちょっと足りないよね屈折した何かがと感じていて、
その気持ちがMVに真っ直ぐ向かっていってしまった仕上がりです(笑)

「月」はムーンライトジェリーフィッシュの台本を頂き、
映画のエンディングに流す曲として書きました。

映画は、日光に当たれない体質の弟と、
その弟の生活を守るためにヤクザな道を選んだ兄、
幼くして親を亡くした兄弟のお話。

映画の主人公(兄)は、いろんなものの板挟みで、
人生がぜんぜん上手く回ってない。

こんなはずじゃなかっただろうにと思いました。

映画のラスト、こんなはずじゃなかったの最高峰が来ます。
その結末に、主人公の内側にあったような、
どこにも届かないかもしれない透明な感情を添えたくなりました。

わたしには「つっこ」という愛称をつけてくれた友人がおります。

当時彼女は仕事のために海外に渡っていて、
その半年後にわたしがデビューしたので、
わたしの活動を詳しくは知らないままだった(人づてになんとなく聞いてたかもしれないけどね)

一番心を許せた友達でね、
人をリラックスさせる力のある人だった。
子供や動物が寄ってくる人っているでしょ。
彼女はまさしくそのタイプ。

出来るのなら、会いたかった。
何の話をするわけでもなく。

わたしに対し「天野」のフィルターを通さずに接してくれる友達がひとりもいなくなってしまった時期だったので。

わたしが月を見て君を想うように、
君がわたしを想う日もあるだろうか。

遠く遠く離れた誰かを想う曲。

「カメリア」は、
マブイの旅という映画のエンディングテーマソングに起用されましたが、
映画用に書き下ろした曲ではありません。

映画のお話が来た時には、カメリアを書き始めていたんだったと思います。

台本は読ませて頂きました。

それで、ひょっとするとこの曲は世界観として合うのではないかと監督さんにお聞かせし、
採用された流れだった、ような。

なので、わたしがMCなどで説明しているまんまの想いを詰め込んだ曲です。

マブイの旅、関係者用の試写会に招かれました。 
生まれて初めての関係者試写会だったので、ドキドキしたなぁ(笑) 

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