小さな苗木から育ち、
そのままどこにも行かずに同じ場所で立ち続ける樹木のようでありたいけれど、
人間ってやつはそこまで不動の生き物ではないんだろうなって思う。
人間は生物上可動する生き物だからね。
自分が同じ場所に立っていられるのは、
こういう職業だからってのもあるけど、
わたしの周りの環境が大きく変化してないからなんだろう。
それでも、
仕事やキャリアという長いものに巻かれるみたいに、
価値観や振る舞いや言動、座標ごと変化してしまう人に触れると、
わたしはなんだか悲しくなる。
素の自分を見せまい、見破られまいと仮面を付けて、
その仮面の外し方をすっかり忘れてしまったように見えるから。
この人はいろんな場所に点在してた在り処を線で結べなくて、
その場所にいた自分ごと抹消してしまったんだなって思うから。
大人になるってそういう事かもしれないなら、
わたしはガキのままでいいや。
天野さんだいぶ大人だけど。
ある地点からここまで1本の線で繋がってる自負だけはあるから、
大好きなものは大好きなまま、この先もわたしは繋げていきたい。
麦さんも、あの地点から繋がってる存在なのです、わたしにとっては。