猫って生き物はとかく嚥下が苦手なので、毛玉を吐く以外でも、わりと頻繁に嘔吐する。
でもって猫は自分では嘔吐物を片付けられないので、当然飼い主がやる事になる。
猫が引き起こしたエントロピーの増大を、減少させるのは飼い主の役目だ。
こういう場合、部屋の中のエントロピーが減少しても、減った分だけわたしの労力エネルギーとして使っているらしいので、
結果的にエントロピーは増大し続けることになるらしい。
猫がいるだけで、わたしの混沌を極めた部屋は整理整頓される傾向になっているので、
そういった意味では、麦さんは天野家のエントロピーを低くさせる存在でもある。
熱力学の話ではなくて、概念の話です。
エントロピーは、乱雑さ、に置き換えられる。
ちなみに物理学はまったく詳しくない。
物理については、物理の先生のネクタイが太くて短くて、こいのぼりのようにしか見えなかった事ぐらいしか記憶にない。
人間関係でも増大する側と減少させる側になることはままある。
どっちかが散らかしたものを整頓したり片付けたりすることとかね。
でも、その人間関係を保つためには、どっちかが片付けてばかりだと難しい。
双方が時には相手側のエントロピーを減少させる事もできる、という関係がやっぱり好ましいのだと思う。
こういうのを、ギブアンドテイクが成り立つ間柄と言えるのではないかなと。
人と人が離れる時、
相手が増大した何かを、自分のパワーを使ってまで減少させようと思わなくなった、
というのが決定打になる場合もあると思う。