ツイキャスでも話しましたが、
わたしの元プロデューサーは、
原曲を守ってライヴする事に重きを置いてきた人でした。
それは、
初めてライヴを見たり、初めて曲を聞く人は会場に必ずいるので、
そういう方々に「CD音源と違うじゃないか」というちょっとしたガッカリ感を与えないようにするためです。
はじめましての人に優しくないライヴだらけになるのは、わたしも良くないと思う。わたしはヒット曲を持ってるわけじゃないから、アレンジの違いを楽しめる人ばかりではないのでね。
でも、長くやってくると、やってる側は変化が欲しくなります。
そこでたびたび衝突をしてきた事も事実です。
ミュージシャンによっても、この考え方は分かれる傾向のようで、
わたしの知っているミュージシャン同士の間でも「俺たちもそれで揉めてきたんだよ〜」って聞かされた事もあります。
実にあるあるな感じなんだろうね。
今回は、ずっとやってみたかった、少し自由度の高いライヴをしてみたいなって事で、鍵盤を入れたアコースティック寄りの生演奏というスタイルを選びました。
いつもの爆音ライヴと、アマノの音楽隊のようなライヴ、
難しいポイントはまるで違います。
魅せるポイントも、集中力を使うポイントもちょっと違うかもね。
違うって思ってきたから、ずっとやりたかったってのが大きい。
音楽人は、どっちも出来てこそ、だと思うのでね。
このライヴがわたし主催の初ライヴ。
ひとまず無事に終えられた事に、ほっとしております。
会場は吉祥寺 STAR PINE’S CAFE。
大好きな箱です。
リハの模様からどうぞ。
ライヴ会場の守り神です。
わたしとじぇっとさんによる「この曲はこうしてみるのはどうかな」という意見出しからスタートだったけど、
まぁ、さすがのじぇっとさん、話がスムーズ。
プラス、お互いに「こうしよう」というものが近くて、安心でした。
その上で、この編成だけでは再現出来そうもない曲は、籠島さんにちょっとしたリアレンジをお願いしようという話でまとまり、リハーサルに臨みました。
1曲目「JUKEBOX」
この曲は、アレンジしてくれた山田大先輩から、
2番終わりの「デュワデュワ」の部分は、ライヴで如何様にもアレンジして欲しい部分だ、と聞いていました。
大先輩の粋な計らいだな〜と思っていたんだよね。
今後も、この曲のライヴならでは感を楽しみにしててくださいね。
(のぞむ、他でかっこいい写真あったから、ここは割愛するわ)
iPadちゃんは、わたしのです。
「19BOX」予約特典の、アマビエステッカー貼ってあります。
2曲目「梟」
原曲ももちろん好きだけど、アコースティックバージョンがとても好きな1曲。
君に撃てない標的(まと)は 合図送るよ 見える?
という歌詞、前もどこかで言ったかもですが、
この歌詞を書いた当時のわたし的には、
目標としている「標的」ではなくて、
梟が「君」にとって幸せをもたらす相手ではないと感知する、敵としての「標的」でした。
梟は「心優しい君」の番人なのだ。
3曲目「刺青」
これはアマノの逆襲が2デイズから1日2公演になった事で削られた曲のひとつ。
麦さんは頬を突き起こしてくるような事はなく、
わたしが起きるまで寝ているか、わたしが寝過ぎて「いいかげん腹減ったんだけど」って文句言ってくるかの、だいたいどっちかです(笑)
かっこいいのぞむ。
のぞむかっこいい、の方が黄色い声援風で良いかな(笑)
4曲目「亀」
マネージャーに「せっかくこの編成でやるならこれが聴きたいって曲ありますか」って聞いたら、この曲を即答されました。
え、亀ですか?たしかにこの編成で再現可能なんですけど、
もう一度聞きますが、亀ですか?
バースデーライヴなんだから、ちゃんと己の恥も披露しろよっていう愛の鞭でしょうか?
後ろ、笑ってんでこれ。
アーカイヴ観ながら、自分の「ミドリガメ」を歌う表情で、鼻から珈琲しそうになりましたけど。
5曲目「月」
この曲のアレンジは、チェロが主役で、
そこがスポーンといなくなってしまうけど、
チェロの音を補うのではなく、特に1番なんかは引き算でいいのではないか、というわたしからのの要望でした。
結果、歌詞まで引き算された仕上がりに(笑)
「歩く待ち合わせ場所」(←本人談)こと、岩切信一郎氏。
たとえしんくんが武道館の客席に紛れていても、見つけられる気がするわ。
6曲目「サンドリヨンの番犬」
すごく久しぶりにやったね。
それこそ、前回の生演奏だったライヴぶりなのでは。
昔、この曲のアレンジをしてくださった山崎淳さんに、
弾き語りでやれたらと思うので、構成譜を送ってくださいって言ったら、
「弾き語りでは超ハードだけど頑張って❤︎」というお手紙付きで渡され、
いざ弾いてみて「こんなん弾いて歌えるかよ」と撃沈した記憶。
でも、爆音ライヴでやると、この曲の音空間がなかなかうまく表現できないんだよな〜、あんまり大きな音でやる曲じゃないんだよね〜と思っていたもののひとつだったので、
今回演れて嬉しかったです。
女の子は、誰もがみんなお姫様だよって思ってる曲だけど、
わたしの場合はあれだ、
ドラクエの、
中ボスやっつけないとたどり着けないラストダンジョンの方が近い。
あたしは要塞の〜てっぺんで待ってる〜♪(by ゾーマ)
7曲目「時計台の鐘」
この曲は、ちょっとアダルトにというわたしからの要望でした。
その気持ちの変化に追いつけないなって思う事を、
遅刻しているみたいだって昔思ってたんです。
そういう自分の経験を、そのまま比喩として用いたのがこの曲でした。
だから、この曲のレコーディングの時に、
歌詞について珍しく説明したんです。
「あなたの声がもう聞こえる」の解釈まで変わると思うからね。
チャット欄にあった「プロデューサーの親戚のおじちゃんみたいな反応」ってコメントが笑えた。
8曲目「プルチネッラの涙」
より道化師なニュアンスに。
道端で演奏してるみたいなね。
メロディオンって、そんなに音の表情が出る楽器なんですねって、とっても感動しました。
空気を入れる事で音が出る楽器がめっちゃくちゃ好きなので、嬉しかったな〜。
9曲目「CRITICAL ERROR」
籠島さんにはじめてアレンジしてもらった曲がこの曲で、
その思い入れだけで、一番歌うのが難しいこの曲を選んじまった天野です。
この編成で出来るかっていう一番のチャレンジ曲でした。
この曲の世界観が、それこそとんでもない音数の未来空間を感じる同期があって完成するのでね。
ロボットや動物や植物、昆虫とかの類も、すごく一途だと思うんです。
それに比べて人間は不安定だ。
だから人間じゃないものが主人公の歌を書きたくなるのかもしれないね。
ギターソロの部分は、今回ベースソロにチェンジ。
10曲目「真珠」
真珠は、貝が飲み込んだ異物や、体内に出来た傷を包み込む事で作られる宝石。
傷跡、みたいなものかもしれないね。
海の中みたいな照明。
こんなものを吐き出して大丈夫だろうかと思う至らない感情でも、
それを美しいと思っていただける人がいるってのが、人間社会の側面でもあると思う。
人と人は鏡合わせ。
優しさを頂いたら、優しさをお見舞いしたくなる。
そんな風に、いい方向に連鎖していけたらいいなって思います、こんな時代だからこそ。
11曲目「スイミー」
レオレオニの絵本の、赤魚の群れの中の1匹の黒い魚は、
黒くて勇敢な美しい存在なのではないか、
つまりブラックでビューティーだ、
おれたちのスイミー。
楽しそうね。
ツイッターの感想で、スイミー退勤っていう素敵なパワーワードを見かけたんだけど、スイミー退勤、おすすめします(笑)特に2番あたり。
I’m freeeeeeeeee!!!
続いて12曲目「ミッシングリンク」
自分は「時計台の鐘」の主人公の気持ちはよく知っているけど、
その逆の「別れを切り出す側の気持ち」ってものがよく分からないままでした。
つい数年前、保護した子猫を保護ボラさんに託す経験をするまでは。
別れというのは、
君を一番に幸せにするのは自分ではないって思った存在へ、
幸せにおなりなさいって送り出すものでもあるんだなというのをはじめて知ったんです。
あなたといたら自分は幸せ、あなたの事も自分が全力で幸せにしたい、
そう心から思える相手は多くはありません。
そう思う相手が多すぎると、
周りの人のために自分の人生を捧げる、もしくは自分をないがしろにする事になってしまう気がします。
自分をないがしろにし続けると、そのうち自分はすり減って潰れてしまう。
でも大事なものを見誤ってしまうと、自分を下げることもある。
どこで線引きするかというバランス感覚って、クールで、ちょっとしたずる賢さが必要だけどとても大事だと思う。
以上、余談でした。
13曲目「贅沢な日々」
これも、もともとはアマノの逆襲から外された曲ですが、
むしろ今のタイミングで歌えて良かったかもなって思いました。
冒頭の影アナで言ったように、
これからは支えてくださる方々のためだけではなく、
わたしの人生のために活動していきたい、
時期的にもそういう流れの中に自分がある。
14曲目「たまねぎ」
たまねぎをモチーフにした曲は、けっこうあります。
齧ると苦いわ、包丁入れると涙が出るわで、
モチーフにしやすいものだとも思う。
「たまねぎ」歌っていると、わたしらしい曲だな〜〜って思います。
曲全体のちょっとゆるい感じのところもね。
原曲のカチっとしたホーンセクションが鍵盤に変わる事で、
ゆるさが助長され、
よりわたしの実像に近いものがお届け出来た感じがしました(笑)
↓突発的にこういう事をやり始める時は、ライヴがめちゃくちゃ楽しい心の現れです。
と、ここで突然のバースデーソング。
最初、あれじぇっとさん何を弾き始めた????どうした????
次はMCなんだけど、音めっちゃ鳴ってますよ!!!!
ってマジで思いました(笑)
会場もミラーボール回り始めるし、
みんないつ打ち合わせしてたんだよってなった。
あらぁ〜〜〜〜〜ケーキ!!!!!!
ケーキケーキケーキ!!!!!!!
自分、だいぶ幸せそうな顔してんなwww
ふ〜〜〜〜〜〜っ。
おいしそおおおお〜〜〜〜〜〜〜〜悦
天野「これわたし半分ぐらい食べていいの?」
メンバー「均等に割ります」
風船ローソクも可愛い!というかこんなローソクがあるんだね〜(感激)
ケーキとっても美味しかったです。
サプライズをくださったみなさま、本当にありがとうございました!!!!!!!(涙)
15曲目「風船」
なんだこの、サプライズからの完璧すぎる流れ(笑)
風船持って歩くのって、すごく大変じゃないですか?
買わなきゃ良かったって思った事ある人いると思うし、
子供が欲しがったから買ってあげたけど、結局親である自分が持つ羽目になったって経験を持つ人もいると思う。
わたしは風船は絶対に自分で持ちたい子供だったので、
途中でぼーっとして飛んでしまう事も、割ってしまう事も多かった。
それでも誰にも預けたくなかった。
いるでしょ、こういう分からず屋のガキ。
わたしは基本的に頑固じゃないんだけど、
そういう部分だけ妙に分からず屋かも(笑)
ちなみに風船の間奏部分はドラムソロのような気持ちで叩いていただきました。
本編ラストはいつもの「巨大獣」
この曲は、これからも大事に歌って行きたいなぁって思う。
どんな雨もいつかは止むし、
どんなに重たい雲でもいつかは切れて、晴れ間が差してくる。
晴れたら、進まなくちゃ。
今どこへ向かっているか分からなくても、いつかどこかには辿り着くよ。
迷わず行けよ 行けばわかるさ
からのアンコール。
籠島さん、パネル持ってくださってありがとうございました。
はじめましてなのに、こんな事させてしまってすみません(汗)
軽々しくいろんな事を周りの人に頼む事で有名な天野です。
アンコールは「静寂」(しじま)
この曲を籠島さんの演奏で歌える幸せ感、はんぱなかったな〜〜〜〜〜〜。
今回の配信ライヴの映像の切り替えを行っていたのは、
マネージャーさんのみかさんです。
みかさんはマネージャーだけど、ものを作るのが好きなクリエイターでもある。
とても尊敬している人のひとり。
天野は、みかさんが4人ぐらい欲しいです。
スイッチングありがとうございました!
本番の写真撮影までしてくれた山本さん、
リハから本番にかけて裏方雑用等々をテキパキこなしてくれたみやおちゃんも、
ローディーのみなさまもありがとうございました。
そして、スターパインズカフェのみなさま、本当にありがとうございました。
終演後のわれら。
籠島さんを拝む。
さて、次回の配信ライヴは12月25日です。
少人数でやる、ミニアコースティックライヴですが、
来年20周年なので、通常のフルサイズのライヴとは別に、弾き語りに1〜2人ゲストが入るような形のミニライヴ有料配信をやっていけたらなぁって思ってまして(地味でも20周年を祝おう会)
次回はその序章、お世話になりまくったパワーハウススタジオからの有料配信になります。
詳細12月になるかもですが、チェックをお願いしますです。
「アマノの音楽隊」観てくださって、ありがとうございました。
本当に、こういうものこそみなさんの前で奏でたかったから、
そのうちリベンジしたい。