洋服を買う時のポイントは、
衣装として使えるかどうか。
衣装と一言で言っても、
ステージやMVやアー写になるようなものだけではなく、
取材を受ける時やラジオに出演する時、
レコーディングやライヴリハのオフショット用の服も、
天野さんの服を買っているという感覚なので、気持ちの上では大差ない。
部屋着と下着以外、わたしの手持ちの洋服のほとんどは衣装だとも言える。
これはビンテージのワンピース。もうすっかり普段着。
これもビンテージワンピ。2007年のアコースティックライヴ用に購入してるから、なかなかの付き合い。ついに裾がピーーっと破けて、お直しに出さなくちゃな〜と思っているところ。
おっさんなのに、服飾ブランドついてめちゃくちゃ詳しかったのが戸倉氏で、
よく情報交換したけど、
わたしが似合う服と、戸倉氏がアーティストに着せたい服とはおおむね大きな隔たりがあって、
お互い「それ好きそうね」という話をするだけで終わってた。
活動の衣装を一緒に買いに行った事がないアーティストは、ひょっとするとわたしだけなのではなかろうか。
でも珍しく「ここの服かっこいい」と意見が一致したブランドがあった。
「ここの服は衣装にはもってこいだよね〜」
という会話をしたのが、彼と洋服の話をした最後だったと記憶している。
亡くなってからその言葉がずっと頭にあって、
えいっと清水から飛び降りてしまった天野だ。
大事に着て行きますよ。
洋服はそんなにたくさん要らない。
長く着て行きたいものだけ欲しい。
コロナ禍で、唯一良かったなぁ〜と思うのは、
今まで店舗販売のみで、通販展開してなかったブランドやビンテージショップが、
こぞって自社通販をスタートしている事だ。
出かけなくていいから便利〜というのと、便利すぎて危険、というのが隣り合ってるけどね(笑)
毎年年末年始にかけて、服を探している事が多い。
来年作る作品の事を、服を物色しながら考えているとも言う。
もう、衣装についての話をする相手がいないんだなってのを、
改めて感じる。