『プルチネッラの涙』
『ひかりのサーカス』を書いた後で、
ピエロの歌が書きたくなったのです。
いや、ほんとはずーっと書きたいテーマだったのですが、
歌詞を書く誰もが書くであろうこのテーマ、
なっかなか纏まらなかったのです。
重たい腰を上げて、ピエロという題材に全力でトライする事にしたのです。
やっぱりなかなかスムーズには書けませんでした。
行き詰まった時は、おいらの大好きな調べもののおでましなのです(笑)
サーカスの起源は何だったのかとか、
ピエロの起源は何なのかなどを調べまくった結果、
プルチネッラ、という言葉に出会いました。
↓ライヴ本番中
プルチネッラとは、
イタリアの伝統的な即興仮面喜劇“コンメディア・デッラルテ”の中の役名のひとつです。
その演劇形態は、
役柄のキャラクタリゼーションがあり、
大筋の話はあるけど、
他は全部アドリブでやる、というもので、
日本では、演劇の訓練方のひとつとしても、取り上げられたりしています。
お客さんを楽しませるために、
ジャグリングしたりした事から、
この演目から、ピエロという存在が生まれた、と言われています。
プルチネッラも、のちのピエロになった役柄のひとつでした。
ピエロの歌を書きたいと思いながらも、
ピエロという言葉の響きに暗さがあるのが嫌で、
他の言葉を探していたわたしは、
この「プルチネッラ」という底なしに明るい響きにピンと来たのでした。
そういう、舞台上では明るい存在であるプルチネッラくんに、
「どうして僕は、ピエロを演じてしまうんだろう」と、
ひとり葛藤して頂こうと思いました(笑)
仮面をしたままでは、蒸れちゃうし、思う存分泣けないよな、とか思ったりもしました。
リリック的に、アルバム内ではひときわキラキラしている曲だと思います。
この曲のベーシックアレンジが手元に届いて聴いた時、
歌詞の世界観と合いすぎて(というか、歌詞に書いていない世界まで補完された感じ)
聴きながら泣きました(笑)
サウンドを聴くだけで泣いてしまうぐらいだったので、
本番、この歌を果たして泣かずに歌えるのか?
というのが、個人的にかなり課題でした(笑)
↓本番中。「う〜」って歌ってるに違いない。
プルチネッラをはじめ、コンメディア・デッラルテに登場する人物たちは、
みんな白装束的な衣装を纏い、仮面をしています。
さながら、白いピエロです。
アルバムのジャケットや、ライヴで着た衣装は、
プルチネッラの衣装がモチーフ。
この服が似合うように、この曲に合うように、髪も切りました。
ずーっと書いてみたくてやっと書けた題材だったので、
その分、おいらの愛も深いです(笑)