わたしの好物のひとつ、鯖。
鯖ならば、
シメでも、
生でも、
焼いても煮ても好きだ。
でも、ひょっとして、
一番好きなのは、これかもしれん、と思っている。
わたしは小さい頃、
白米をあんまり食べない子だった(いや、今も……)
理由は、味がしないから。
そういう子供、けっこういるんじゃないかと思う。
とにかく、
おかず→ごはん→おかず→ごはん
が苦手で、
おかず→おかず→おかず→おかず→おかず→忘れた頃にごはん
な子供だった。
だから最終的に、おかずでお腹いっぱいになり、白米が余る。
白米じゃなく、味がついた米ならこの子は残さず食べる、
という事を母親は見抜いていた。
カレーや、丼もの、オムライス、炒飯、おこわ、おじや、雑炊とかね。
でも、
わたしの為だけに、
毎日毎日、白米を出さない食卓には出来ない。
やっぱり白米の日の方が、断然多いわけ。
わたしは、
何度叱られても、白米を残し続けた。
残してしまうぐらいなら、どんな形であれ、健康のために食べてもらった方がいい、
そう思ったのだろう、
母親は、
苦肉の策で、
白米の日は、
いろんなものをご飯の上にかける(もしくは混ぜる)事を、わたしに許した。
お味噌汁ご飯、
卵かけご飯、
きゅうりの浅漬けと納豆ご飯、
マヨネーズご飯、
という定番。
肉じゃがご飯、
モツ煮込みご飯、
といった、おかずをそのままご飯に乗せたもの。
少女の興味が、
何をかけたらどんな味になるのかという、
実験的な食事へと移り変わらないわけがないわけで(笑)
コーラご飯、
オレンジジュースご飯、
プリンご飯、
おつまみサラミメロンソーダご飯。
どれも果てしなくまずいが、
自己責任だ。
しかめっつらをする母親の前で、
黙って頬張った記憶がある。
そんな風に、
いろんなものを上にかける事で、白米を食べるようになったわたしが、
一番好きだったトッピングの具材が、
この、鯖の水煮だった。
鯖の水煮は、
今でも、
わたしのお昼ご飯の定番おかずになっている(もうご飯にはかけないけどね)
こんな事を言うと、料理好きな母親に悪いけど(笑)
わたしの、おふくろの味のひとつ。
今日は、母の日。
ちょっとだけ、
お母さんとの思い出を振り返ってみるのもいいかな、と思ってみたりして。