ナマケモノ。

雑音生活 ライナーノーツ

ナマケモノ。

ライヴの写真が届くのは盆明けになりそうな予感なので、
アルバム『19BOX』のライナーノーツの続きをします。

2曲目の『キラーエイプ』はすでにリリース済でしたので、こちらのライナーノーツへどうぞ。

3曲目『ナマケモノ』のライナーノーツ。

ナマケモノの造形とても好きなんだけど、
生態についてそこまで詳しくありません。
だからいつものように調べました。
以下、まとめます。


【ナマケモノ】

①哺乳類では珍しく変温動物なので、身体を動かしすぎて暑くなると命の危険が。気温が低い日が続きすぎても命の危険が。(飼うのであれば365日室温調整ができる部屋が必要)

食事は1日8g程度。食べすぎると消化するためのエネルギー放出による体温上昇で命の危険が。連日天気が悪いのに食べすぎてしまうと、ただでさえ弱い腸内の動きが更に鈍くなって消化不良を起こし、お腹いっぱいのまま餓死する事も。

③平常時の時速16メートル。緊急時の時速120m。

④捕食動物から逃げる事は不可能なので、もうダメだとなった時は、なるべく痛くないように全身の力を抜く

⑤1日の平均睡眠時間は20時間

⑥フック状になっている爪をひっかける事で木登りしたり木にぶら下がっているだけで、木を掴んでいるわけでは決してない。であるから筋肉もほぼない。脂肪が多く水に浮くため、実は歩く(這う、が正解)より泳ぐ方が得意。

排便はなんと週に1回。週に1度、天敵に襲われるかもしれない命の危険を冒してまで、ナマケモノは地面に降りてうんちする。THE サバイバル。
ナマケモノは、ナマケモノのうんちに卵を産み付け、ナマケモノの体毛に生える藻を主食としている蛾(ナマケモノガ)と共生しているため、高リスクでもわざわざ地面に降りてうんちするのではないかと言われている。ちなみに、何にも食べ物が見つからない時は、ナマケモノは自分の体毛についた藻を食用にする。共生している蛾は、この藻が育ちやすくなるための役割を担っているのではないかと言われている。

⑧こんなに最弱な生き物がなぜ絶滅する事なく生きているのかというと、食物連鎖のピラミットの中に、そもそもナマケモノが入っていないからなのである。ナマケモノは誰とも闘うことなく、木に擬態して、姿を隠す事で生き延びてきた。


怠け者と名付けられるだけはあって、
なかなか残念な生き物なんです、ナマケモノ。
好きで怠けてるわけじゃなくて、怠けてないと生きていられないって感じ。

上記書いたナマケモノの生態についての簡素バージョンを、
アコースティックのアレンジをして下さったけんちゃんにも、
バンドサウンドアレンジをして下さった籠島さんにもお伝えしておりました。

曲を書きながら、
この動物を選んだくせに、ナマケモノと自分の共通項がなかなか見つけられず、
天野がにょきっと出てきそうになるのを押さえつける作業も伴いましたが、

こうして今振り返ると、
なんだかやりきれなくて、頑張ることから心身ともに一旦離れて、怠けた方がいい事もあるよね、と思ったりしました。

ナマケモノは先年発売したアコースティックアルバム『動物園』に収録されてもいるけど、
曲を作ってた時、洋楽っぽいロックサウンドが頭の中に鳴ってはいたんだよね。
でも、アコースティックバージョンとは言え、一度曲が形になってしまうと、
その形も愛しくなるもんで、
アコースティックバージョンからどのぐらいアレンジが変わってしまうだろうと、ドキドキしながら今回の完成を待ってた。

初聴で、涙が出ました。
メロディーから微かに香る洋楽っぽさを、
全力で拾い上げて、引き伸ばしてくださってありがとうございます。

アコースティックアレンジの時からあったアマゾンっぽいリズムを引き継ぎ、
これまたそこをぐぐんと引き伸ばして、
広大な熱帯雨林を感じるサウンドにもしてくださったように感じています。

最初に聞いた時から、この曲はアルバムの前半に収録したいと思いました。
『19BOX』の中で、一番華やかなんじゃないかな。

アコースティックバージョンの、ナマケモノさながらののんびりとした感じと、
バンドサウンドバージョンの、切なさ200%バージョン、
両方お持ちの方は、どちらも楽しんでいただければと思います。

ナマケモノの写真がないので、うちの怠け者貼っとくよ。

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