一周忌。

雑音生活 ひとりごと

一周忌。

今日はおっさんの一周忌である。

せめて好きだったものでも食べてあげようかとコンビニに行って、
お菓子の好みが徹底的に合わなかったことを思い出した次第。
ジャイアントカプリコ、いつになったら食べる気になるか謎すぎる。

ちなみにマウントレーニアは、現在エヴァ仕様。
わしらはエヴァ完結編が観れるんだぞ、いいだろう。

あなたがいなくなって、
わたしは黒い洋服が増えた。

喪に服しているわけではない。

戸倉氏は、黒い服を良く着ていた人だった。
わたしは黒っていう色はデザインがどうなっているのかよく見えなくなるから面白味がなくて、あまり選ばない傾向だったんだけど、

なぜ彼が黒い服ばっかり着ていたのか、
今自分の立場が変わった事で、感覚的にも視覚的にも分かるようになった気がするよ。

アーティストっていう存在は、
飾り雛の一番上に乗せてもらっているものだ、とわたしは思っている。
御輿を担いで貰っている、とも言う。
少なくともわたしがデビューした頃は、そういうものであった。
今はだいぶ変わって、自分で飾り雛を構築し、自分がどこに誰を配備するか決められる時代になって、
やっと日本もそう変わったかという気持ちでいるけれど、
アーティストが、自分の名前のついた飾り雛の一番上に鎮座しているのは変わるまい。

一番上にいるという事は、唯一飾り雛の全体が見える位置にいるという事だ。

わたしがきちんと周りを見渡せていない時、必ず戸倉氏はわたしを叱った。
世の中に、こんなに他人を叱りつける人がいるんだろうかってぐらいには、叱った。

そんな事では一番上に鎮座している資格はないと叱られる事はもうない。
その代わりに、
いつ自ら転げ落ちて、飾り雛ごと崩れるか分からない、そういうわたしになりました。
そういうわたしになったからこそ、叱り続けてくれたありがたみを想う。

人はいつか亡くなるけれど、
その人から教わった事を継いでいく人がいれば、
その人を未来に連れて行ってあげる事が出来る。

継いでいく人、たくさんいるから、しばらく安泰だね。

そちらの世界はどうですか?
こちらはなかなか大変な世界ですが、
わたしは元気です。

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