デジタルマルチトラックテープ。

雑音生活

デジタルマルチトラックテープ。

旧事務所を解体した時に、
自分の音源や映像が収録されているテープを全部引き上げてきた。

テープは、ライヴ映像を収録したものや、
MV映像のコピーだったりもするので、
ほとんど、これからわたしが使う事がないものではあるんだけど、

楽曲のレコーディングデータだけは、いつかハードディスクに移行(=デジタイズ)できないかなと思っている。

わたしが引き上げてきた、曲が入っているテープは、
アナログマルチトラックテープ(2インチ)と、
アナログハーフマスターテープ(1/2インチ)と、
デジタルマルチトラックテープの3つに大きく分かれる。

こちらがアナログハーフマスターテープ。
デジタルレコーディングしてミックスした音の2mixをわざわざアナログテープに一度落として、
マスターテープとしていた。

昔はこのテープを持ってマスタリングスタジオに行っていた。
アルバムのマスタリングになると、3本か4本持っていくことになったので、なかなか重労働だったと思う。

写真だとなかなか伝わらないかもだけど、
30cm四方ぐらいあると思ってもらって間違いないです。レコードぐらいの大きさです。
1箱3kgぐらいかな。


アナログハーフマスターテープは、2トラックにしか分かれていないので、デジタイズする意味はない。

デジタイズしたいのは、48トラックに分かれたデジタルマルチトラックテープの方。
このデジタイズが出来れば、テープに録音した曲のライヴ同期データを、
今のシステムで使用する事が出来る。


このテープは、
1990年から2000年序盤にかけて、ほぼすべてのプロユースのレコーディングスタジオに常備されていただろうと思われる、
SONYのPCM-3348という、いわゆるヨンパチと呼ばれた機械を使って録ったレコーディングデータが、
最大48トラックに分かれたまま収録されているものです。

この各トラックに分かれた状態のまま、1トラックずつオーディオファイルに変換してくれるスタジオを、
探して探して探して、

レコーディングエンジニアの武藤さんから、山本さんから、
今まで利用させて頂いたゆかりのあるスタジオに連絡しまくったんだけど、
わたしが利用してきたすべてのスタジオでは、機械が故障してもう使えなくなっているか、廃棄処分されていた。

PCM-3348はSONYの製品なので、SONYのスタジオに現存しているのは分かっている。
他、大手レコードメーカーのスタジオにもあるかもしれない。
いかんせん、コスパが悪すぎる上に、
それらの大手レコードメーカーと接点を持たないわたしが、スタジオを利用できるとは限らない。

昔はどこにでも常備されていたような機械が、もう大手を除いてどこにもない事実っていうのは、
分かってはいたけど、かなり衝撃的だった。
もうすでに、化石のようなものなんだろうな。

諦めるしかないのかなと思いつつ、
最後に賭けだなと思って問い合わせさせて頂いた、縁も所縁もないスタジオさんから、
うちで請け負えます、という返答がいただけた。

神が現れた、と思った。

劣化具合がどの程度なのか、専門家ではないわたしには分からないので、
ひとまずお試しで数本、デジタイズしてもらおうと思います。

「Sharon Stones」から「天龍」までのレコーディングデータ、
無事救出できるか分からないし、
きっと持っているうちの何本かは聞けるかどうかも分からない状態じゃないかと思うので、
ここに投資するのはただの博打なんだけど、

そもそもテープを持っていても再生すら出来ないし、
このまま劣化していく一方でしかないなら、
テープの中身はゴミと成り果てたのか、それとも生きているのか、
確認してもらいます。




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