わたしとギター。

雑音生活

わたしとギター。

ギターが欲しいと思ったのは、小学生の頃だった。
当時放送していた音楽番組で奏でているのを目にして、
弾いてみたいな〜ってのがはじまり。

もちろん買えない。小学生には一番安いギターだってかなりの大金だ。

一応親にも相談してみたけど、
ピアノの練習もまともにしようとしないあなたが弾くはずがないと一蹴された。

ピアノの練習をしなかった理由は、ヒステリーなピアノ教師が嫌いだったから。今の時代なら訴訟起こされそうな人ではあったけど、大人になってみると、あの人もああやってピアノ練習させられたのだろうなという、ちょっとした哀れみを感じる。

そんなわけでギターは買ってもらえなかったし、買えなかったけど、
ギターが弾いてみたいという執念は、ピックを集めるという方向に向かった。
お小遣いで、ピックは買えるのだ。

ありとあらゆるメーカーのピックを持っていたと思う。

はじめてのギター

で、はじめてバイトをしたお金を全部注ぎ込んで買ったのが、
後のシャラさんの一声によって水色のアクリル絵の具で塗られてしまった(注1)
YAMAHA APXシリーズ。
元のカラーはナチュラル。本当はブラックが欲しかったのに、あと2万ぐらいのお金が出せなくて、仕方ないからナチュラルにした。
最初だからさ、一番欲しいギターじゃなくていいやって思った。
弾けるようになるのがまず一番だ、とね。

(注1)
初ツアーのリハーサルの時に天野のエレアコを目にしたシャラさんが、
「アコギでデモテープ録っているから、どんなギターを使っているのかずっと想像してた。ボディーの形も、弦高も僕の想像した通りで合ってる。けど、そうかぁ、水色じゃないんや〜。色は水色だと思ってた〜」
とがっかり肩を落としたのを目にした天野が、
本番までの数日の間に、手持ちの絵具で水色に塗っていった事件の事。
とても鳴りの良かったエレアコは、驚異的に鳴らないエレアコへ変貌を遂げた。

でもデビュー後に、ナチュラル色のアコギが似合わない音楽性だったもんで、早めに新調したいなと思ってた。
そんな時にシャラさんの御発言があったのでね(笑)
水色っていう思い出がひとつ加わって愛着が出たので、結果的にけっこう長い事ステージ上で活躍できてよかったんだと思うよ。
家に飾ってあるよ。(経年劣化しまくってて現状はお見せできないが)

Name:星男

黒いギター

YAMAHA APXを使いながらも、
黒いギターが欲しかったって気持ちはずっと持続しててね、
それでこういう流れ。

Epiphone Casinoは今も本当に大好きなギター。
弦の張り替えが鬼畜なのと、オクターブチューニングを合わせるのが超めんどくさい以外は、鳴りもいいし見た目もいいし、とにかく軽いしで、ずーっと1軍選手にいる。
同じものの新品が出たり、中古美品があるなら、もう1本サブで買いたいぐらいだし、このギターの元のモデルであるGibsonの330が地味に欲しかったりはするんだけど、「あの人に似てるからあなたのことが好き」っていう歪んだ愛情をサブに注ぐのもどうかと思うし、330をお迎えしたら苦労してきた時代を共にした彼氏からいい男に乗り換える的な感じになるから(笑)どちらも手を出さずにいる。

Name:クロ

ペイントギター

事務所の案で、自分でペイントギター作ったらどうかという話が出て、
買ってきたのが、Epiphone Les Paul Studio Ebony Black。
マットなブラックなのと、ピックガードがついてないので描きやすいだろうなっていうチョイス。
「B.G.」のジャケとか、「菩提樹」のMVで出てくる子だね。
Gazoo.comもそうだね。

Name:ヒメ

ミレニアムモデル

「Treasure」のサウンド的に、MVで持つならFenderのテレキャスターがいいと思うという理由で、
「吉祥寺の山野楽器(現在閉店)に、限定のミレニアムモデルってのが売っててさ〜」と事務所の社長が買ってくれたのが、後々ライヴのメインで使うようになったFender Telecaster 2000年限定モデルの黒いギター。
すっかりわたしに買ってくれたんだろうと思ってたんだけど、
どうやらわたしは里親として預かってただけだったみたいで、
何人かの新人がその後使うことになったけど、
そのギターを弾いたものは半年以内に事務所を辞める天野の呪いがかけられていたとかなんとか(笑)

楽器って、念が入るからね。しかたないよね(笑)
無事に(?)わたしの手元に戻ってきたけど、
いろいろガタが来てるから時間がある時にリペアしてあげたいところ。

この子はめっちゃくちゃ重いの。レスポールぐらいある。

Name:Catherine

ニューエレアコ

エレキのように扱えるから夜中でも家でがんがん弾ける、
という理由でGodin A6のブラックボディーを購入。
当時の店頭割引特価で14万7000円だったんだけど(消費税5%の時代だね)
「ローンは組まず一括現金で払うんでどこまで下げられますか?」
と聞いたら、11万5,500円が限界だと、計算機と睨めっこしながら店員さんに言われた。
「この端数、気持ち悪くないですか?税込10万にしませんか?100,000円、ゼロが並んでて美しいな〜〜」
と言ったら、
さすがに僕には判断できませんと店員に言われ、お店の責任者まで電話を回された思い出。(責任者は店員さんにキレてたよ・笑)
でも10万ぽっきりで買った。
と言うのを後に
「おそろしい!!!!!!僕、うわー関西人が来た〜〜〜って思われたくなくて、値引き交渉できんのよ〜〜〜〜〜〜〜笑」って大先輩に言われた。

天野、家電と楽器の定価なんて、一応表示してるだけで「ない」に等しい、と聞いて育ってきました。

ちなみに、後にボディーに白ガムテでシャラさん由来のアンクマーク(まだ貼ってあるというか、簡単には剥がせなくなっている)ブリッジピンはあっきー由来で赤のスワロフスキーがついているものにカスタムしている。他のメーカーのエレキ用のカスタムスチールブリッジピンをむりやり差し込んでいるから、湿気が強い季節だとなかなかピンの抜き差しができなくて、非常に手がかかった子でした。

もうベンチ入りしたけど、家では大きな音が出せない人には、本当にいいエレアコです。生音は、Casinoの方がずっと大きい。

Name:刃(レン)

5周年のお祝いに

お祝いにだけど、
「烏」と「混沌」の衣装が色違いだから、ギターも色違いにしたいなってので、
Fender USA Custom Telecaster ’67 日本限定モデル ダコダレッドボディーを購入。
30本限定だったけど、本当に30本作ったのかなぁ〜〜謎だ。
このギターが売りに出されてるのを知ったのが、販売開始まもない頃だったので、渋谷や新宿を回っても全然なくて、いつ入荷するかも分からないと言われ、
ギターマガジン買ってきて、東京付近の楽器店という楽器店に電話総攻撃して、
このギターがあるかどうかの確認を取った。
川崎の島村楽器にだけあって、川崎まで買いにいったっけな〜。
まだ2〜3本ぐらいしか市場に出てないと思う、ってその時店員さんにも言われた。(ちなみにもう1本は大阪の梅田にあるのを確認してた)

「まだ市場に出はじめたばかりだから、お値引きは一切できないんです。
その代わり、弦とかピックとか、お付けしますよ」
って、まるでわたしが値引き王なのを知ってるかのように前置きされた。

そうか、それならしょうがないって、
ギターストラップ・弦3pセット×3・PROCELLの9V電池1ダース、クロス、ピック20枚、総額2万円相当を付けて頂きました。

あの店員さんは、あの後責任者に怒られなかっただろうか。

ちなみにピッグガードはミント色です。そこもお気に入り。

Name:Candy

デコギター

ピンクのギターを持とう、という話が「Heaven’s Gate」のジャケット撮影で持ち上がった。
ピンクのギターって、そんなにないのよ。
いや、あるにはあるんだけど、たいがいがめっちゃ高いか、ZO-3的なおもちゃか、ガーリーな感じか、形がすきじゃないかで、
欲しいのがないからカスタムしようってなったのがあのジャケットのフライングV。

フライングVはGibsonが特許取ってる名称なので、正確にはただのV。

Vギター、めっちゃくちゃ好きでね。
でもシャラさんがVを弾くもんで、
その隣でええV弾けないですってなって、

最安値だったサウンドハウスのオリジナルメーカーPLAY TECHのピンクのVを買って(今も売ってるよ)
それをスワロフスキーとアクリルビーズとファーでカスタムしました。

わたしの中では、この子はギターじゃなくて衣装。

Name:Victoria

ついにギブソン

活動再開をするという話が持ち上がった頃に、
Gibson B-25 オレンジボディの復刻版が出た。

B-25は、60年代から70年代後半にかけてのみ作られたスモールボディーアコースティックギターで、
現在もレギュラーモデルとなってるL-1とかL-00の後継。

中でもオレンジは当時も少ない本数しか作られてなかったので、めちゃくちゃレアで、それの復刻版だった。

それを見かけた当時は、そんな知識はなくてね、
小さくて弾きやすそうだな、色もめっちゃ可愛いな〜〜っていう気持ちで、
ハミングバードもダヴも可愛くて好きだけど、
大きいからわたしには弾きこなせないと思って諦めていたGibsonのアコギが急に近づいたって感覚だった。

めっちゃくちゃ欲しかったけど、
ちょっと悩んでいる間に店頭という店頭から消えてしまって、
その後新品を見かけることは二度となかった。
もともとレアカラーだったからなのか、復刻もなかなかしないんだよね。

欲しかったなという気持ちが「Daisy」のジャケットを描かせた。
B-25についてめっちゃ詳しくなったのも、欲しくてめちゃくちゃ探したからだ。

そしたら、また休止して復活した頃に、中古美品を見つけたんだよね。
どのぐらい美品かっていうと、ピックガードのカバーシールがまだ貼られていたぐらいだった。
つまり、前のオーナーほぼ弾いてない。コレクターだったのかもしれない。

たとえ一方的だとしても、ずっと会いたいって思っていたらいつか会えるよって信じて生きてきてるんだけど、
それを具現化したかのような再会だった。

Name:Daisy

タガが外れる音が鳴り響いた

で、12月のライヴの前に、エレキのメンテをしてもらおうと思って、
楽器屋に行ったんです。
赤のテレキャスターは、ネックがちょっと曲がってるってのもあったけど、
60年代のビンテージ感を出すためにわざと出力が小さめに作られてるギターで、
ピックアップ交換したら変わるかな〜〜みたいな気持ちでリペア工房のある楽器店に行った。

「ピックアップの高さを変えると音量大きくなるから、まずはそれをやってみましょう。それでしばらく弾いてみて、やっぱりってなったら交換って順番にしたほうがいい。調整するのにちょっと時間かかるのでお待ちください」
と石田に言われたので店内を見て回っていた時に、

出会ってしまいました。

その場から動けなかった。は?…ナンダコレ??という感じ。

はじめて知るギターメーカーだった。
全然知らないメーカーだから思わずぐぐったんだけど、
日本ではほとんど取り扱いされてない、アメリカの新鋭メーカーだった。
店員さんも、僕もこのギターでこのメーカーはじめて知りましたと言ってた。
あまりにも取り扱いされてないから、しばらくメーカー名伏せとくね。(個人情報が漏れるぐらいなんだ)

今まさにリペアされてる赤いギターを横目に、違うギターにときめいてるわたしは、病床の妻をよそに的な、なかなかのゲスで笑えた。

マネージャーのみかさんに、
この服かわいい〜〜けどお値段かわくない〜〜とか言うと、
20周年のお祝いに買ってもいいんじゃないですか〜?(笑)って優しく返されてきたんだけど、

20周年のお祝いか、そうだね

「楽器置き場、歴代の鍵盤もありますし、空のハードケースもありますし、なかなかのスペースのなさでしたよね」「あなたマーシャルのミニチューブアンプも欲しがってなかったでしたっけ?」って忠告しにきた心の声を天野はシャットアウトした。

前のオーナーさんは、店員さんによるとコレクターっぽい人らしくて、
自分ももういい年になってきたから、気に入ってくれる人がいるならお譲りしたいなって、絶賛いろんなレアギターを断捨離中なんだって。

そういう意味でも、なかなかな出会いだなぁ〜。

もう、ギター を買うことなんてそうそうないと思ってたよ。

ようこそ天野家へ。
まずは、仲良くなるところからはじめよう。
(後ろに写っているアイテムは、で、おまけつけてくれるんだよね?って言って無理やりつけさせたものです。店員さんありがとう❤️)

君に名前をつけなくちゃ。






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