ダーウィン。

雑音生活 ライナーノーツ

ダーウィン。

この曲はアルバムの最後に書きました。
今の時世に合うようなものを書いておきたいなという気持ちで。

最初は、
ややロックテイストのものを作る気まんまんだったんだけど、
ツイキャスでも言いましたが、
俺たち頑張ろうぜ
的な曲が街に溢れかえってきていた時期で、
聞いててお腹いっぱいになったし、
そこまでその気持ちには寄り添えないなあと思う自分もいて、
わたしも経験したから、この気持ちは分かるよってものを使って、
この時世と向き合ってみたら、
わりと優しい曲になった、という流れでした。

アレンジしてくれたけんちゃんの優しいアコギが沁みるね。

タイトルのダーウィンは、進化論のダーウィンです。
今回のアルバムは、けっこう理数系なんだな(笑)

進化論というのは、
生物は不変な存在ではなく、
長い時間をかけて少しずつ変化をしてきていて、
今存在している生物は、その進化の果てに生き残った種族だ、
といったような論説です。

今、世界が変わっていくのを感じている人は多い。
平成から令和になった時は、
何をそんなに慌てて変えようとしてるんだろう、
それは変わる必要あるかねって思うことがたくさんあったんだけど(なんてったって昭和生まれだからね)
今は、変わらないとどうしようもない、というような差し迫った事情で環境を変化させた人も少なくないと思うんです。
差し迫った事情だから、変わらずにあるものの大切さを感じられたりもして、この変化は悪いことばかりじゃないんだけど、
でも、変わらざるを得なくて変わるっていうのには、
決断力と、踏み出す勇気が必要になってくる。

人によっては、
手に入れたすべてを置いて出ていく事になるかもしれないよ。

『箱庭』の最後の歌詞は、
思い出をぎゅっと抱きしめていなくたって、
その場所から離れたって、散り散りになったって、
大切な記憶や感覚はそうそうなくなるものじゃない、
って裏側の気持ちがふんだんに含まれている。

何かを握り締めたままでは、新しい環境には進めない。
進めないというか、
何かを握り締めていると、新しいものをうまく掴めないハンディを背負った状態に陥る。
終わりと始まりは、同時にやってくる。
であるなら、ちゃんと終わりにしないと、新しい扉の先でがむしゃらにならない。

今はどうだろう。
今は、進んだ先に扉を見つけたわけじゃなくて、
突然、その先に進まなくてはならない扉が目の前に訪れたってのがわたしの感覚なんだよね。

突然そびえたった新たな扉だから、
開けて進むのが、ちょっと怖くなる。
どこに繋がってるのか、自分が進む道をコントロール出来るか分からないし、
戻ってこれるかも分からない。

分からないから、
今手にしているものは、出来たら全部、明日に持っていきたい。
また明日ね、また今度ねって、とっても軽々しく言える未来があって欲しい。
それには、目の前に突如現れた新しい扉を、
どうやったらみんなで潜れるかって選択をする事もある。
これは、終わりでも始まりでもなく、進化だから。

そんな曲かなって思います。

絶賛作業中につき、またしても貼る写真がないので、
野良猫から家猫に進化を遂げたけど、
やっぱり外が好きだから、
雨でも散歩出来るカッパを買って貰ったうちの猫貼っとくよ。

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